ご予約は、📞046-275-2141 または
かつて日本の虫歯治療といえば、詰め物・被せ物の中心は「銀歯」でした。
銀歯の正体は 金銀パラジウム合金 と呼ばれる金属で、金・銀・パラジウム・銅などを混ぜたものです。丈夫で加工しやすく、保険が適用されるため長いあいだ標準治療として使われてきました。
ところが近年、この金銀パラジウム合金に含まれる パラジウムや金の価格が世界的に高騰。とくにパラジウムは自動車の触媒に使われることもあり、国際的に需要が高まって高値が続きました。
この結果、
「保険で銀歯を作っても、歯科医院側の材料原価が非常に高くなる」
という状態が生まれ、国も診療報酬の見直しや材料価格の調整を行うようになりました。
同時に世界では「できるだけ金属を使わない治療」が広がり、セラミックや樹脂系素材が主流に。日本でも保険制度が徐々に改正され、金属に頼らない選択肢が増えていきました。
その結果、 “昔は当たり前だった銀歯が、今では必ずしも第一選択ではない” という時代になったのです。
現在の虫歯治療では、昔よりも素材の選択肢が広がっています。
それぞれの特徴を簡単にまとめると次のとおりです。
● コンポジットレジン(白い詰め物/保険)
歯に近い色の硬化樹脂。小さな虫歯向けで、1回の来院で終わることも多く、見た目も自然。
ただし強度は金属やセラミックほどはないため、広い範囲や強い力がかかるところには不向きな場合があります。
● 金銀パラジウム合金(銀歯/保険)
長年使われてきた金属。強度が高く、奥歯には適している。
ただし審美性の問題、金属アレルギーの可能性、歯ぐきが黒く見えてしまうことなどがデメリット。
さらに 金属価格高騰の影響で“安い素材”というメリットが薄れつつある のが現状です。
● CAD/CAM冠(白い被せ物/保険)
コンピュータで設計・加工される白い被せ物。
以前は前歯や小臼歯だけでしたが、現在は大臼歯まで保険適用が拡大しました(ただし、反対側があって第二大臼歯で咬合のある第一大臼歯のみ)。
金属を使わず、見た目も自然。ただしセラミックほどの透明感や強度はありません。
● セラミック(自費)
自然な白さとツヤがあり、変色しにくく長持ちしやすい素材。
金属アレルギーの心配もなく、精度も高い。
費用はかかるものの、審美性・耐久性の面で最も満足度が高い選択肢です。
● ジルコニア(自費)
人工ダイヤモンドの構造を持つ、とても強い白い素材。
奥歯の噛む力にも耐えられ、長期的に安定している。
詰め物には「これが絶対に正解」というものはありません。
患者さんの価値観やお口の状態によって変わります。選ぶときは、次のポイントを基準にすると迷いにくくなります。
● 見た目を重視する
前歯や見える部分 → 白い素材(レジン、セラミック、ジルコニア)が適しています。
● 耐久性と強さを優先する
噛む力が強い奥歯 → 金属、ジルコニアが向いています。
※ただし金属はアレルギーの可能性があります。
● 金属アレルギーが心配
金属を使わない素材(レジン、CAD/CAM、セラミック、ジルコニア)を検討すると安心です。
● 費用を抑えたい
保険の白い詰め物(レジン)やCAD/CAMが選択肢に。
ただし「安いから銀歯」という時代ではなく、金属の価格が上がりすぎて“銀歯が最も費用対効果が良い”とは言えなくなっている のが現在の現実です。
昔は銀歯が当たり前でしたが、
金属価格の高騰
金属アレルギーの懸念
保険の白い素材の普及
自費素材の性能向上
これらが重なり、治療の主役は徐々に “白い詰め物・被せ物” に移ってきました。
とはいえ、お口の状態は人によって違います。
どの素材が最も適しているかは、年齢・噛む力・磨き方・歯並びなどによって変わります。
患者さんの価値観に合わせて「納得できる選択」を一緒に作るのが大切です。