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虫歯の治療が終わるとき、「保険の詰め物にしますか、セラミックにしますか?」と聞かれることがあります。
「何が違うの?」「どちらが自分に合っているの?」と迷う方も多いと思います。今回は、どちらかを勧めるのではなく、それぞれの特徴をできるだけ正直にお伝えします。
日本の保険診療で長年使われてきたのが、いわゆる「銀歯」——正確には「金銀パラジウム合金」です。ところが近年、パラジウムなどの素材価格が世界的に高騰し、保険診療での使用が縮小される流れになっています。
それに伴い、奥歯の一部では白いCAD/CAM樹脂が保険適用で選べるようになってきました。「保険=銀歯」という時代は少しずつ変わってきています。
どの素材を使うかを考えるうえで、知っておきたいのが「二次カリエス」です。
一度治療した場所が再び虫歯になることを指します。日本で行われる虫歯治療の約3分の2はこの再治療だとも言われており、詰め物・被せ物と歯のわずかな隙間から細菌が侵入することが主な原因です。
これはどの素材でも起こりうることですが、素材によってリスクの大きさが異なります。
メリット
費用負担が少ない
治療実績が長く、強度的に安定している
保険内で対応できる範囲が広い
デメリット
金属は製作時にわずかに収縮するため、歯との間に微細な隙間ができやすい
セメントの経年劣化で隙間が広がり、細菌が入りやすくなることがある
金属アレルギーのリスクがある(パラジウムへの陽性率は一定数報告されている)
歯茎が黒ずむ「メタルタトゥー」が生じることがある
保険の樹脂(CAD/CAM)は金属の問題は避けられる一方、強度の面で適応できる部位に限りがあります。
メリット
特殊な接着剤で歯と化学的に結合するため、隙間ができにくい
表面が滑らかでプラークが付きにくい
金属アレルギーの心配がない
見た目が自然な歯に近い
長期的な生存率のデータが良好(10年で90%以上という報告がある)
デメリット
費用が保険診療よりも高くなる(素材や部位により異なる)
強い衝撃で割れることがある(特に薄い部分)
歯ぎしりが強い方は適性を確認する必要がある
正直なところ、どちらが絶対に優れているとは言えません。
費用面の余裕、治療する歯の場所や大きさ、アレルギーの有無、見た目へのこだわり——これらは人によって大きく異なります。保険の詰め物でしっかりメンテナンスを続けていれば長く持つケースも多くありますし、セラミックにしたからといってケアを怠れば同じことになります。
大切なのは素材だけでなく、治療後の定期的なメンテナンスを続けることです。
「自分の場合はどちらが向いているのか」は、口の中の状況を見たうえでないと判断が難しいところもあります。費用のこと、素材のこと、気になることがあれば遠慮なく聞いてください。患者さんの状況に合わせて、一緒に考えます。
田尻下歯科医院では、保険診療・自由診療どちらのご相談も承っております。お気軽にお声がけください。