かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)とは?

厚生労働省が新たに定めた、虫歯や歯周病の重症化予防のための画期的な制度です。

北欧諸国では、30年以上前から予防歯科を推進しており、むし歯や歯周病は日本の1/10まで減少しています。ところが、日本では定期検診(メインテナンス)を受診されている方が非常に少なく、定期検診を受けている方とそうでない方との歯の喪失に明らかな差が生じています。

これを受けて国は、従来の「削って詰める治療」から「虫歯にしない・歯を失わない」ための予防歯科を推進するようになりました。

か強診に認定されるためには、感染予防や診療実績を元に一定の基準があり、基準を満たすことができれば、厚生労働省より認定をうけることができます 。

当院は厳しい施設基準をクリアし、2018年に認定された全国で数少ない歯科医院です。

最近の調査*によると、全国約70,000件の歯科医院のうち約16%の医院が認定されています。


*厚生労働省医療施設動態調査(令和元年9月末概数)


患者さんが『かかりつけ歯科診療所』に通うメリット

日本の保険制度上、従来は虫歯や歯周治療のみ保険適用が認められていました。

予防処置は認められておらず、自由診療の扱いでした。

しかし、か強診に認定された歯科医院は、虫歯や歯周病などの予防・メインテナンスを、毎月保険診療の範囲で行うことが可能になります。

そのため、患者さんにとって、以前よりも格段に予防処置を受けやすくなりました。

該当する主な内容は、以下の通りです。

1. 予防のための検査やクリーニング(歯石除去、歯面清掃など)

歯周ポケットの検査、口腔内写真撮影、歯石除去、染め出しなど、一人一人の状態に合わせて、担当の歯科衛生士が丁寧に対応いたしますので、安心してご来院ください。

2. 初期虫歯や虫歯予防のフッ素塗布

フッ素には、再石灰化を促し、歯の表面のエナメル質を強くして、虫歯を予防する効果があります。

まだ歯が生えて間もないお子様はもちろん、大人にも有効です。

大人の場合、不規則な生活でブラッシングの時間が取れなかったり、間食により虫歯のリスクが高くなりがちです。

フッ素は予防処置になりますが、か強診に認定されている当院では、お子様だけでなく大人も毎月保険が適用されます。

3. 在宅・訪問ケア

歩行困難など通院が難しい患者さんに対して、訪問診療を行い、虫歯・歯周病治療~予防まで提供することが可能です。

当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に認定された歯科医院として、今後とも歯周病の治療・予防により一層力を入れてまいります。

4. 地域包括ケアシステム

患者さんのお口の中の健康を、生涯にわたり定期管理・医療管理するため、安心・安全な歯科医療サービスを提供していきます。そして、時には、患者さんの身体の状況に応じた歯科保健サービスを、医療機関や地域の包括支援センター等と連携して、地域ぐるみで歯科医療を提供していきます。


『かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所』に認定されるためには

  • 安全対策及び、高齢者の口腔機能管理に係る研修を受けている常勤の歯科医師がいること。

  • 予防やメインテナンスができる常勤の歯科衛生士が在籍していること。

  • 在宅医療を行う医科や緊急時の連携している保険医療機関があること。

  • AED・ハートモニター・酸素・緊急蘇生など緊急時に対応できる設備・器具・体制を整えていること。

  • 滅菌・感染予防に必要な設備を完備していること。

  • これまでの虫歯予防、歯周病のメインテナンス、補綴物の維持管理を行ってきた実績があること。

など、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している場合に認定されます。